木洩れ陽のなかで
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木洩れ陽のなかで
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〜アルバートさん・・・あなたはウィリアム大おじ様だった・・・
そして、丘の上の王子様だった・・・
なんて事なの?私の頭の中は、何が何だか理解も出来なくなってしまった、あの日。
でも、とっても幸せな気分だったわ・・・〜
〜キャンディ・・・君の笑顔はなんて素敵なんだろう・・・
僕は、ずっと君の笑顔を見ていたいと思う。
君が幸せに過ごせる日々が訪れる事を・・・
君の笑顔で周りの人々を幸せにする日が来る事を・・・
僕は常に願っているよ。出来る事なら、僕のこの手で・・・〜
ポニーの丘で待っていたアルバートさんの腕に、キャンディは飛び込み
何とも言えない安堵感を味わっていた。
「アルバートさんったら酷いじゃない!挨拶にいったら誰も居なくて、とても淋しい
気持ちでポニーの家まで帰ってきたのよ。
来てみたら、アルバートさんも、アーチーも、アニーも、パティーも先に来ててビックリしたわよ」
・・・と言いながらアルバートさんの胸を軽く叩いた。
「はっはっは・・・ごめんよ、キャンディ。君をビックリさせようと思ってね!
計画通りビックリしてくれて、僕はとても満足だよ」
アルバートさんは、ウィンクした。
「もぉ〜アルバートさんったら〜」
「キャンディ、少し座って話そうか」
「ええ、いいわよ」
二人は木に寄りかかる様に座った。
「キャンディ、君は、また新しい一歩を踏み出して行くんだね。
僕とキャンディの住むところは、少し離れているけど、今までと同じ様に僕は君の味方だよ。
今までも、どんなに離れていても味方だったから、分かっていてくれてると思うけど・・・」
「そうね、アルバートさんは、いつも私の味方だわ。とても心強いわ」
「前に僕とした約束をキャンディは覚えていてくれてるかい?
キャンディに悩み事や、悲しい事があったら、僕に半分わけるって約束・・・」
「ええ、覚えてるわ」
「良かった・・・覚えてくれていたんだね。約束だからね、キャンディ」
「わかったわ、約束は守るわよ」
キャンディはウィンクをし、笑顔を見せた。
「そういえば、新しい一歩を踏み出すのは、私だけじゃないわ。アードレー家の総長として
名乗り出たアルバートさんも、新しい一歩じゃないの?」
「あ・・・そうだね」
「もう今までみたいに、フラフラと旅に出れないわね」
「そうだね〜、あっ、キャンディ、今フラフラって・・・人を放浪人みたいに言わなかったかい?」
「え?違うの?放浪人のアルバートさんが、放浪の旅をしていたんじゃないの?」
キャンディは可笑しくて笑いながら言った。
「確かに、アードレー家に居るのが嫌で旅はしてたけど・・・そんな風に見えたかい?」
「ええ、確実に。レイクウッドで会ったアルバートさんは、間違いなく放浪人だったわよ」
「う〜ん・・・そうだな〜、あの時はそうだったね・・・。君にはかなわないや」
アルバートさんも諦めて、キャンディと一緒に笑っていた。
「そぉそぉ、そんな事じゃなくて、アルバートさんも新しい一歩なのよ」
「そうだったね、自分の事は、しっかり忘れていたよ」
アルバートさんは、頭をかきながら言った。
「アルバートさん、とても仕事が忙しくなるんでしょうね。体を壊さなように気を付けてね」
「大丈夫さ、僕には優秀な看護婦さんが付いているからね」
「え?どこの看護婦さん?」
「ここ」
・・・とアルバートさんはキャンディの、おでこを突っついた。
「あらっ、本当ね。でも、ただの優秀な看護婦じゃないわよ。とってもを付け忘れないでね」
キャンディは腰に手をあてて反り返って言った。
「君って人は・・・そろそろポニーの家に戻ろうか」
「そうね、みんな待ってるかも知れないわね」
丘を二人で下りて行くと、アニーがポニーの家から出てきた。
「ちょうど良かったわ。二人が遅いから迎えに行こうとしたのよ」
「やっぱり待ってたか・・・ごめんよ、待たせて」
「さぁ〜、お腹も空いてきたわ。美味しいごちそう沢山食べないと」
キャンディは腕まくりをしてポニーの家に走って入って行った。
後に残ったアルバートさんとアニーは、目を合わせ笑っていた。
ポニーの家に入ると料理や飲み物が全て用意されていた。パティーがグラスを運びながら
「キャンディ、遅いわよ!もう全部、アーチーとアニーと私で用意したのよ。アルバートさんと
二人で外に行ったきり戻って来ないんですもの!」
「ごめんなさい・・・でも、ラッキーね。私の仕事は食べる事でしょ?」
「キャンディ!!」
アーチーもパティーもキャンディを睨んだ後、大笑いした。その会話を聞いたアニーも
アルバートさんも大笑いした。
「キャンディの仕事は食べる事か、そりゃいいな」
アルバートさんは、上目遣いに皆を見ているキャンディを見て、微笑んだ。
全員が席に着くとすぐに、キャンディを迎える会が始まった。食べて飲んで、
楽しいおしゃべりをして、あっという間に夕方になってしまった。
アルバートさん達4人は帰らなくてはならない。キャンディは皆と離れるのが少し淋しくなった。
特にアルバートさんと離れるのは一番淋しいかも・・・とキャンディは心の中で思った。
でも、そんな事を悟られないように言った。
「落ち着いたらシカゴに遊びに行くわ、手紙もだすしね」
「そうね、キャンディ。皆で待ってるわ」
「早く会える日を楽しみにしてるよ」
皆はキャンディと握手をすると車に乗り込んだ。最後に残ったのはアルバートさん。
「アルバートさん、体には気をつけてね、あまり無理しないでね」
「あぁ、大丈夫だよ。キャンディこそ体に気を付けるんだよ。じゃっ、またね」
そう言うとアルバートさんはキャンディの頭を撫でて車に乗った。
キャンディはポニーの丘の木に登り、みんなが見えなくなるまで見送った。