研究職比較:

大学教員・国公立研究機関の研究職と民間企業の研究職について、個人的体験から比較してみました。

身分:公務員 vs.サラリーマン 特に大きな違いがあるとは思えないけれど、一応年金制度や失業保険の有無で多少差があります。

給料:一般的に公務員の方が安月給(もちろん業界によってかなり違いがある)。特に残業手当のほとんどないことと、管理職クラスになってからの差が大きいことでは公務員は圧倒的に不利。ただし最低保証というのを考えれば公務員の方が恵まれてます。つまり良い仕事をしてもしなくても給料に反映されることはないのが公務員。

ステータス:そんなものあるのか?って感じですが一般世間では大学教員はエライという幻想は未だ健在のようです。但し業界では「どの」大学の「どういう」身分なのかでピンからキリまでありますから知らない人しか騙せないですけど。親や親戚、時には配偶者を騙してる人はよく見かけます。

仕事の自由度:自分のやりたいことができる可能性の大きさ、という意味では公務員の方が大きい。企業の場合、必ずしも希望が叶うわけではなく、研究職から営業職への配置替えなど珍しくないし、ある分野からの撤退や新規参入などいろいろ動きがあります。それに比べると公務員は一度研究職になってしまうと事務職へ変わることなどまずないし、ずーっと同じテーマを追いかけることもある程度は可能。

研究に使えるお金:公務員の場合は基本的には税金から出るお金ですから、研究費の申請から報告書まで、膨大な書類を作って法律通りに使うことが要求されます。節約して次の年に繰り越すとかは不可能です。当然交際費のようなものはありません。企業ではトップに話が通っていればそれほど煩雑な事務が必要になることはまずないし、いわゆる科研費では絶対出ないような高額の予算も取れます。この辺が「自分自身がエライ」と錯覚してるある種の公務員にとって贈収賄になりかねない金銭感覚の培養される基盤かもしれません。

生活:大学は自由なイメージがあるけれど、普通は週休二日とはいかないです。公務員は割とカレンダー通りの勤務をしてます。企業はフレックスなどの導入では進んでますし、国外に出るのに届け出とか許可はいらないし、国際学会帰りに休暇を取って遊んできても文句を言われることはないです。公務員が仕事で海外に行くときは寄り道は原則として一切禁止です。労務管理や教育に関しては公務員はお粗末なものです。健康診断すらろくにやりませんし、セクハラなんて日常茶飯事。民間だったら訴えられるようなことは数え上げればきりがない。管理職セミナーなどのような、一般企業ではよくある「社会人としての常識の教育」は公務員にはほとんど行われません。税金を使って個人の能力や資質を向上させるのはムダということなのでしょうか?人間が大切という企業とはえらい違いです。

結論:学生さん向けに、もしあなたが能力があるのなら、そこそこ大きい企業に入って一流の研究者を目指すべきです。生活・研究環境いずれも自分の能力と努力で最良のものを手に入れることができるでしょう。もしあなたが大した能力はないけれど何がなんでも研究を仕事にしたいというのなら、大学か公務員を目指しましょう。大抵の場合、一度なってしまえばくびにされることは滅多にありません(ただし医学部・医学系を除く)。将来にわたってそうであるという保証はありませんが。

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