論文を書こう


このページの主旨

世はグローバル・スタンダードが流行語です。もともと研究者たるもの専門誌に論文を発表できなければ存在しないと同じ、その論文が引用されなければ科学に貢献したとは言えないというのが常識(のはず)。(ほとんどスルーパスの学会発表は学芸会みたいなものでほとんど意味ないですから・・というと叱られそうだ。見る目のある人には重要な情報交換の場です。)それが企業内研究者にも適用されるような時代になってきました。金融ビッグバンなどというものより早くから国内の製薬メーカーの外資系を巻き込んだ統廃合は進んでいたし、ICHのおかげもあって国際競争力のない会社は淘汰されていくでしょう。それは結局今まで国内だけで通用すればよかった研究職の皆さんがいつ失業してもおかしくないということです。薬の開発に関わる人たちが、企業秘密だから発表できなくて当然、と言い訳してきたのが薬だからこそちゃんとした雑誌にデータが発表されていて当然、という時代です。とはいえ現実にはそういう実績主義は大学などでも「建て前」でしかない場合もあり、これから変わると言われてもどうしたらよいのかわからない方々も多いと思います。不幸にも上司や直属の教官が良き指導者でなかった場合、あるいは指導者と意見が対立するような場合、それでもこれからの時代を研究職で生き抜こうとするのなら、自分の力で論文くらい書きましょう。不運を嘆いていても仕方ありません。
 こんなに低レベルでも大丈夫、ということで今後論文を出そうとする人の参考になれば幸いです。
 想定した読者は国立大学大学院修士課程程度の研究者の卵、あるいは企業内研究者です。
既に学位を持ってる人は笑ってやってください。

ところで、もっとアカデミックな「論文の書き方」が欲しい方のためには、東北大学の酒井先生による 若手研究者のお経-- これから論文を書く若者のために --をお勧めしておきます。

論文を読もう

 やはりいい論文をたくさん読んで、見る目を養いましょう。自分のテーマに関連した論文を読むのは当然ですが、数と質と両方をこなしましょう。もし論文の質がわからないならISIImpact Factorをとりあえず参照。

注:Impact Factorのリストはここにもあります。年ごとに多少変動があるのですが、雑誌を出す側の努力もいろいろあったりして。

  *注・著作権の問題でISIのデータは削除されているようです。

 矛盾したことを言いますが、世の中には本当にたくさんの雑誌が出ています。コンピュータで検索できるようになって随分楽になったはずですが、それでも文献の山に埋もれてしまいます。そしてかなりのものは読む価値のないものです(キッパリ)。論文を書く側にしてみればどんな結果であれ論文にして発表するのは当然のこと、そして読む側にしてみればどうでもいいような論文が多すぎる、わけです。自分の研究にとって必要な論文を読む、というだけではなかなか論文を見る目は養えません。意識していい論文に触れる機会を増やしましょう。
 
準備するもの
 実験データ
 当然必要ですよね。これがない人のためのお言葉
 チャンスは準備のできているところにやってくる
 そのココロは、いろいろな意味で勉強しましょう

 コンピュータとワープロソフト
 WindowsマシンでもMacintoshでもいいけれどワープロは英文ワープロを用意しましょう。日本語ワープロで英字入力してもフロッピー入稿を要求された場合に困ります*。大抵は最終原稿でDISKを同封しろと言われます。あと文献データベースソフトがあればOK(なくてもいいけど文献リストを書式が変わる度にいちいち入力するのは大変です。うちはEndnoteを使ってますが他にもいいのがたくさんあります)。
*かつて国内ではNECの98シリーズが圧倒的シェアを誇り、パソコンといえば98でした。そしてワープロソフトが一太郎で、98ノートで一太郎をdiskから起動し、半角英数モードで論文を書き、ASCIIモードで変換用640kb 2DD diskに保存し、それをこれまたHDのないMACに読ませて印刷していた時期がありました(2001年追記)。


 プリンタ
 レーザープリンターなら申し分なし、インクジェットでも600x600dpiくらいの解像度があれば大抵図表も大丈夫*。昔はロットリングして写真に撮って・・などとやってたけれど楽になったものですね。写真も加工できちゃうんだから。でもデータの修正や捏造はいけません。

*パーソナルレーザーライターが普及した今、これが通用するかどうかは疑問です(2001年追記)


論文を書いて投稿する
 この辺までは偉い先生の書いた「論文の書き方」等の書物を参考にして書けばいいのです。でもたとえば「わかりやすい正確な英語で書きましょう」って言われたってそれが簡単にできれば苦労はしないのです。そこで私からは、英語が少々下手でも論理構成がしっかりしてれば誤解されることはないし、英語がちょっと下手だというだけの理由でrejectされることはまずないといっておきます。日本語でもよくわからない論理の文章に出会うことがありますが、これは英語以前の問題です。英語の翻訳をやってくれるサービスもありますが、専門用語だらけの論文に一般のサービスはお金と時間の無駄だと思います。望ましいのは専門分野のNativeに見てもらうことですが、身近にそういう人がいなかったら投稿してしまいましょう。最低限の文法やスペルチェックはワープロソフトでもできます。
とりあえず
簡単な手紙のパターン。
最初に受け取ったという通知が来ます。

 Revise
 Editorから返事が来たらどう答えるか。パターンは大きく分けて三つ。
1. アクセプト
 おめでとうございます。もう言うことはありません。
2. 書き直しの要求
 普通はこれです。レベルがいろいろあります。
3. リジェクト
 書き直しても見込みがない、雑誌の主旨に合わない等。あきらめて他の雑誌に投稿し直しましょう。レフェリーからのコメントがある場合にはちゃんとその点を考慮してワンランク下の雑誌に投稿すれば大抵は簡単に通ります。それが最低ランクの雑誌だったら?それはその研究に価値がないということなので真剣に考え直した方がいいかもしれません。そういうケースは経験がないのですが。


以下恥さらしな実例集。

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