TBSラジオで取り上げられた「買ってはいけない」
11/19(金)の荒川強啓デイ・キャッチlという番組の中のデイ・キャッチテレフォンという視聴者からの意見を募集するコーナーで「「買ってはいけない」買いました?」というのをやっていました。この番組は基本的にはニュースとその解説の番組で、金曜日のコメンテーターはテレクラ社会学者であり専業主婦廃止論でも知られる宮台真司東京都立大学助教授です(宮台氏の専業主婦廃止論はあくまで子どものためであって女性の生き方云々という話ではありません、念のため)。
さてこの日この番組に寄せられた視聴者の意見とは、
1)この本に影響を受けた方々:38%
2)行動に変化なし :33%
3)否定派(この本はおかしい):12%
4)その他 :番組では言ってませんでしたが計算すると17%
具体的な意見
1)の方
30代男性 本を読んでからファストフードが食べられなくなった
30代 市販の歯磨きを金魚鉢に入れると金魚が死ぬと言う記述が気になって歯磨きを塩ですることにした
50代女性 健康のため赤ワインを飲んでいたが本に取り上げられていたので他のメーカーに変えた
3)の方
50代女性 書き方が偏っている。でも思わず避けてしまう
40代男性 本場ドイツでもソーセージに亜硝酸は入れてます、明らかにおかしい
50代男性 パン屋ですが、どこのメーカーの製品でも似たり寄ったり。批判本のほうに納得した
2)の方
「買ってはいけない」の内容に納得はしたけれど今まで通りのものを買っている
(番組に寄せられた電話の本数はいつもより多く、回線パンク状態だったそうです。具体的な本数は不明。ちなみに時間帯は3時30分から4時40分くらいだそうです。)
コメンテーター宮台氏の意見
有吉佐和子のベストセラー「複合汚染」を読んだ世代なら、「買ってはいけない」には何一つ新しい情報はないし、気にすると言ってる人は多分この本を読む前からそういうことが気になる人だっただけ。社会学的には二つの論点がある。
一つはネガティブ・コスモロジー。つまり日常生活にメリハリをつけるための手段として、身近なところに地獄を意図的に作る。買い物に行って製品を手にとってこの添加物はああだこうだと考えることで非常に充実した時間を過ごせるでしょ?(宮台氏流に言えば成熟社会をまったり生きるための道具の一つといったところかな・・この辺はなんばさんによる「宮台真司とその思想」を参照して下さい)
もう一つはメディア・リテラシー(メディアを読み解く力)の問題。宮台氏は例えばTVのバラエティー番組でやらせがあったとか騒いでいるが(フジの「愛する二人別れる二人」のことだろう)、やらせがあるのは当然でそれを額面通りの真実だと思ってる方がおかしいという意見だそうです。「買ってはいけない」もその通りに受け取れば相当変な暮らしになるのはすぐわかるし、体にいいという「ごはん」だってそれだけ食べていれば病気になるでしょう、薬だってバケツに一杯飲んだら死んでしまう。金魚鉢に塩を入れたって金魚は死にます。何故食品に添加物が使われているのか、それは例えばコンビニおにぎりには利便性というメリットがあるからで、そういうことをバランスよく考えて欲しい。添加物の「役割」もちゃんと勉強した方がいい。
おまけ 宮台氏の知人が週刊金曜日にいるのだが、この本が売れて以来企業に行くとVIP待遇だと言っていたそうです。
荒川さん・アシスタントの井上さんは赤ワインの人の意見には笑ってましたし(他のメーカーだと何が違うんでしょうねと)、番組全体としては当然のことながら「買ってはいけない」がトンデモ本であるというスタンスでした。
以上が大体の放送内容でした。
さてここからは私の感想です。「買ってはいけない」を巡る論争?の中で具体的に何パーセントの人がこのトンデモ本を信じたあるいは気にしたか、が出てくるのは珍しいと思うのでこの数字の社会学的意味を是非分析して欲しいと思います。生放送故、宮台氏がその場でこの数値に言及しなかったのは仕方ないのかもしれませんが。個人的には38%の人が何らかの行動を起こしている、というのは非常に高い数値だと思うのですが。もちろん母集団は平日夕方にラジオ局に電話することの出来る人、ですのである種の偏りはあるでしょう。以前宮台氏の専業主婦廃止論で意見を募集した時には圧倒的多数で反対意見が多かったので多分専業主婦が多いのだろうと思います。それにしてもこれだけ明らかな(だって「ハンバーガーにミミズ」というレベルですよ・・・これは後で改竄されたのでしたっけ)トンデモ本に対して正しい判断を下した人がたった12%というのは・・・。民主主義という制度の中で、まともな判断能力のある人が1割しかいない、という状況は非常に恐ろしくないですか?時期的にも反論本が相次いで出版されていて、反論本もベストセラーに名を連ねているという時期なのに。
おまけについては、週刊金曜日編集者が「「買ってはいけない」の週刊金曜日のものだ」と言って企業に対して威張って取材してるのだとしたら、総会屋と同じってことでしょうか?企業側もこんな相手に及び腰になる必要はないのだから、毅然と対応すべきだと思います。とはいえラップを返品*して自己満足に浸っている「市民」が相手では辛いかもしれませんが。
ラップを返品* 11/17朝日新聞夕刊1面記事 ごみとして燃やすとダイオキシンを発生させる恐れのある塩素系の家庭用ラップを市場からなくそうと、日本消費者連盟など約90の市民団体で作る「環境ホルモン全国市民団体テーブル」がポリ塩化ビニリデン製のラップ計21500本を製造メーカー二社に返品、とのこと。家庭ごみに占めるラップの重量比なんて微々たるものだし、東京では不燃ごみとして出すことになってるし、こんなことがどれだけ実効性があるのかさっぱりわかりません。この運動のために使った莫大な量のエネルギー(チラシの印刷や輸送にかかる費用、資源も含めて)を考えたら、もっと他のことができるでしょうにと思います。これでは例え良心的なメーカーでもやってられないでしょう。朝日は以前は(間伐材を使っていて森林破壊とは言えないはずの)「割り箸を使わない運動」をやって零細割り箸業者をいじめたのでしたっけ?
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