〈王仁庵の家事あれこれ〉
――料理など毎日の家事をかんたんにおいしくきれいにやるコツを紹介します――
夏から秋にかけてイナゴイナゴ――ぢゃなくてバッタバッタしてたので、料理の紹介をさぼってしまいました。
きょうは簡単な常備菜3点プラス1。

左は10時(ななめ左)から時計まわりに、(1)10時「きんぴらごぼう」、(2)2時「あらめと油揚げ」、(3)6時「さつま揚げと大根」。右が(4)「れんこんのきんぴら」。どれも胡麻油で炒めてから味をつけるという点ではいっしょだが、調味料が少々ちがう。
(1)鷹の爪をまるごと一本、酒、濃い口醤油。
(2)みりん、濃い口醤油。
(3)砂糖、薄口醤油、鷹の爪の細切り。
(4)みりん、濃い口醤油、鷹の爪の細切り。
注意点
(1)牛蒡は水にさらさない。焦げる寸前までよく炒める。
(2)味付けはあくまで薄め。濃い口醤油は、色が濃い割りには辛くない。色はおいしそうに演出するためと思うこと。
(3)大根をよく炒めてからさつま揚げを入れること。
(4)ばらけないように厚切りにする。焦げる寸前までよく炒める。おせんべいのようないいにおいがしてくるはず。
☆いずれも「煮物」ではない。汁気を残さないように、残らないように、調味料はひかえめに。強火でよくまぜながら炒めること。
☆供するとき、ひとつの皿に盛っても、かっこいい。汁気がないしおなじ系統の味付けなのでだいじょうぶ。
☆(3)以外は、冷蔵庫に入れなくても、この季節なら何日かもちます。ついつまみたくなる……というおかずですね。こうした料理のよいところは、冷えても美味しいこと。お弁当ネタにもなります。
変わり冷やし中華その2――ふつうのたれに胡麻だれをプラス
夏はだんぜん冷やし中華なので、いろいろなバリエーションを考えます。今回はゆでておいた鶏胸肉を裂いたもの、胡瓜、トマト、セロリ、ブロッコリースプラウト、それに海苔を散らします。ふつうのたれに胡麻だれと酢をすこしくわえたものがたれです。鶏胸肉はラップにゆるくくるんで5分間チンしますが、爆発することが多いので気をつけて、電子レンジのドアをあけて取り出すときにも爆発のおそれがあります。長い菜ばしを使い、顔はぜったいに近づけず、そのままボウルにほうりこんで遠くに置き、冷めるのをまちましょう。ほかによい方法があるのかもしれませんが、まずは爆弾処理の要領で。

「豚肉」じゃが、これでも肉じゃが――7月2日
食材の使いまわしもシュフの仕事ですね。豚肉(安い切り落としか買いません)を使わないでおっとっと消費期限が……となりそうなときには、とりあえず生姜をすって肉にまぶし、、酒、醤油をくわえて、タッパーに入れておきます。キャベツやピーマンとそのまま炒めればしょうが焼き、味噌を味醂でといてトウバンジャンや胡麻油を加えれば中華風になります。でも、ジャガイモが残っていたので、きょうは豚肉じゃがです。タマネギを切らしていたので、わけぎを使いました。こっちのほうが合うかもしれない。味付けは蕎麦のつゆを薄め、砂糖をちょっとくわえました。順序は、(1)ジャガイモを水だけでゆでる。(2)湯を捨てて、肉とつゆを入れて煮る。(3)上にわけぎをばさっと入れ、ふたをしてまたしばらく煮る――というものです。最初からつゆを入れないのは、そうするとつゆが多くなってしまうから。
ブロッコリー・スプラウトを散らした上に豚肉じゃがをのっけました。スプラウトのぴりっとした味が、料理全体をひきしめます。
冷や飯しかなかったので、蕗味噌(母の煮た蕗の葉を味噌で練ったもの)とふりかけと海苔のお茶漬けにしました。

変わり冷やし中華、いやタンタン麺もどきか?――6月26日
豆腐が古くなったときなど、麻婆豆腐をこしらえるのですが、一丁使うと多すぎる。そんなとき、余ったのをタッパーに入れて冷蔵庫で保存し、冷やし中華のあんにします。麺は冷やし中華でもラーメンでもよいですが、やわらかめにゆでて胡麻油をまぶして、ほぐします。麻婆豆腐はそのままだとちょっとあっさりしているので、八丁味噌のたぐいを味醂で溶き、トウバンジャンをすこしくわえたものを混ぜ合わせてチンします。あとは胡瓜の千切りや、甘酢漬けの生姜を散らすだけ。お好みで酢をかけます。ちょっと冷やしタンタン麺の気分が味わえますよ。

初夏のたべもの――5月25日
散歩していると、畑で葱坊主が背比べをしています。胡瓜や茄子の花が咲いています。向こうのほうで白い花を咲かせているひょろりとした草はなんだろうと思って寄ってみると、韮でした。よっぽど摘もうかと思いましたが、遠くでおじさんが作業をしていたのでやめました。韮は畑の端が崩れないように植えるもので、子供のころ、そこいらの畑から引っこ抜いてくるようにと母に命じられたものでした。こないだ、畑の端の叢から野蒜を抜いてるおばあさんを見かけましたよ。「野蒜の墓」って小説……ありませんよね。
さて、新生姜をスーパーで見かけるようになりました。糠付けにしてもおいしいのですが、某所で教わった作りかたで、きょうはガリをこしらえました。冷蔵庫に入れておいて、一年やそこいらもちます。
(1)新生姜をスライサーで薄切りにする(繊維の方向にスライスすること)。一分ほどゆがき、甘酢につける。甘酢は好みですが、酢、酒、砂糖、塩を混ぜるだけ。麺類の薬味にもよいですよ。
こないだ実家にいったら、去年のらっきょうが汁をすっかり吸って飴色になっていました。たまり漬けみたいな濃厚な味です。常温で置かれていたので、発酵したのでしょうね。(写真は今年のです。これでらっきょう1kg分。もっと小さい一リットルの容器でもはいります。)生姜はもうピンク色に変わっていました。

豆の季節――5月20日
春はから夏にかけては青い豆の季節です。蚕豆、グリーンピース、そして枝豆。もう枝豆も売っていますが、ぼくはぜったいに買いません。枝豆は、蚕豆が消え、グリーンピースも生きが悪くなったころに食べたい。豆にも順序というものがあります。
莢のままのグリーンピースが売っていたので、じゃこ豆ご飯をこしらえました。だしもなにも使いません。塩気もだしもじゃこから出ます。あとは豆の青臭さを楽しむだけ。
おかずは厚揚げと小松菜と赤ピーマンを炒めたもの。いつもはこまったときのキムチ頼みで、キムチだけで味をつけますが、きょうは奮発して(笑)とろみをつけました。顆粒の中華風とりがらだし、紹興酒、中国の黒酢、片栗粉を水で溶きます。味付けはそれと胡椒だけです。醤油は使いません。酢が嫌いでも、過熱すると酢っぱ味は消えます。胡瓜の糠付けは自家製(もう10年になる糠床です)。これも醤油はかけず、生姜を擂って散らします。味噌汁はこれも季節のものの浅蜊。
豆ご飯は保温したくないので、ちっちゃな曲げ物に入れておきます(右)。スーパーの前に出ている露店で買った安物ですが、あんがい便利です。もう暖かいので、冷や飯でもじゅうぶん。それに、冷や飯のほうが米本来の味がわかりますよ。

キーマカレー、野菜カレーに変身の巻――5月17日
忙しいので料理を簡単にやりたい。でもあんまりミジメなのは嫌だと思う……そういうときには、即席の食品にちょっと手をくわえるといいですよ。きょうはレトルトのキーマカレーをあっというまに豪華な野菜カレーに変身させる術を紹介します。
レトルトパックを温めながら、赤ピーマン半分、なす1本、オクラ3本をオリーブ油で炒めます。ひとり分にしては多いですが、野菜はカロリーがすくないからだいじょうぶ。
オクラは余りがちなので、軽くゆでて冷蔵庫に入れておきます。刻んで納豆に入れてもよいしね。サラダのときなど、縦半分に切るとまた気分が変わってよいですよ。

これをご飯に散らして、その上からカレーをかけるだけ。ね、簡単でしょ。カレーの種類によっては、シーフードも使えますね。お子様向けにはミックス・ベジタブルを使うという手もあります。サラダは(見にくいですが)トマトときゅうりを切ってマヨネーズともろみ酢で和えておいたのを、タッパーに入れて冷蔵庫で保管しておいたのに、ブロッコリーのスプラウトを混ぜました。右下の刻んだらっきょうは自家製の1年物です(冷蔵庫で保管)。今年のらっきょうが漬かるころに去年のがなくなるというあんばい。あ、梅にゃん、カレー食べてるときに「大」はやめて! (空振りだったようです。ホッ)
書見台始末記――5月7日
この仕事にはぜったいに必要な書見台ですが、みなさんはどんなものを使っているのでしょう?
ちょっと長くなりますが、レポートいたします。

右側がずっと使っているスチール製の書見台で、たいへんぐあいがよいので すが、ある日東急ハンズに行ったらもう売っていなくて、プラスティック製のものしかありません。
左の木製は本を挟む部分が弱く、しかもスプリングがはずれるし、厚い本には使えません。見掛け倒しです。

つぎの写真の書見台は、「レシピ用」と銘打ってある建築事務所が製作販売しています。キッチンに置くのには便利ですが、厚い本は傾けないと見づらい……。ここは消費者の意見を取り入れてくれて、写真も載せてくれるのです。
そこで、60センチ幅のを20センチに切ってありあわせの木切れを三角形に切り、釘で打ちつけただけのものの写真(下左右)を送ったところ、目から鱗! で、商品化してくれるというのです。感激!


で、調子に乗ってもうひとつ試作しました。DIYの店で補強金具(桧で覆われている)をふたつ買ってきて、ねじでつけました(左右)。自分でいうのもなんですが、これもなかなかグッドアイデアで便利です。
製品ができたらひとつ送ってくれるというので、楽しみに待っていましょう。できあがったら、買ってみてね。
この建築事務所のHPはこちら。
http://www.margherita.jp/raising.htm
☆らっきょうを漬ける――5月1日
この季節になると、毎年らっきょうをつけます。やってみるとあんがい簡単なものですよ。スーパーなどで売っている泥らっきょう(1kgで1000円ぐらい)を買ってきます。これに対する甘酢の分量は、以下のとおりです(好みで塩梅してください)。砂糖と塩はかならずキッチンスケールで計ること。酢も砂糖も塩も、種類によって漬かりかたがちがってきます。ぼくは玄米酢ときび砂糖と沖縄の塩で、濃厚にこしらえます。一年以上もちます。一度塩漬けにするやりかたもありますが、ぼくはめんどうなのでやりません。
酢――500cc
砂糖――250g
塩――60g
鷹の爪――少々
(1)上の材料を火にかけ、砂糖が溶ける程度まで温める。煮立てないこと。この甘酢をそのまま冷ます。
(2)らっきょうは流水でざっと洗い、根と茎の部分をすこしずつ落として、笊に盛る。
(3)笊の上から熱湯をかける。(この段階では皮が残っていてもあまり気にしないこと)。
(4)あら熱がとれたら、一個ずつキッチンペーパーか付近で水分を拭き、余分な皮をこすり落としながら、容器に入れていく。
(5)冷めた甘酢をかけて漬け込み、上のほうが浮かないように小皿を裏返して重石にする。1〜2週間で食べられるようになる。
漬物はなんでもそうですが、容器はきれいに洗って拭くこと。手も清潔に。らっきょうの水分を拭くのが、こりこりに仕上げるコツ。
☆寝具の衣替え(?)――4月8日
午前中、銀行に行くために坂を下っていったら、万願寺の桜が満開でした。きょうあすは花見に最適でしょうね。
やっと暖かくなったので、フランネルのシーツをブロードに換え、コンフォーターも梅にゃんの毛だらけのフランネルのカバーを剥がして、中くらいの厚さのキルトに換えました。半年しまいこんであったシーツは、古い木綿のにおいがします。何度か洗って陽に当たれば消えるでしょう。洗濯に中性洗剤でなく石鹸を使っているので、しかたがない。シーツ類はずっとGarnet
Hillで買っていたのですが、最近カタログが来ない。どうしたんだろう?
☆ビーシチュー王仁庵風など
ティファールの鍋を買ったので、きょうはビーフシチューをこしらえてみました。
材料:牛すね肉250g、玉葱2個、人参1本、新ジャガ5個、大蒜5かけ、きぬさや5枚、コスモ直火焼ビーシチューのルウ(フレーク状)、つぶ胡椒少々。 作り方:水から煮込んで、沸騰すると一気にあくが出るから取る。2時間ぐらい弱火で煮込む。彩のきぬさやはラップにくるんで電子レンジで20秒。
つけあわせはアスパラ(電子レンジで50秒)とコールスロー。アスパラは根のほうの皮をピーラーで剥くと、繊維が気にならなくなります。コールスローはキャベツ、人参、玉葱の細切りを塩ひとつまみでしんなりさせたあと、マヨネーズと粒マスタードと酢とサラダオイルと胡椒で和えるだけ。あとは写真を見てね。左の黒い皿は、M・Mさんに焼いてもらいました。

残りご飯をおにぎりにする簡単なやりかたです。茶碗を枡に使います。ラップを敷いて、ふりかけを混ぜたご飯を半分まで入れ、梅干を載せて、その上にまたご飯を入れ、ラップでくるんで握ります。この萩焼風茶碗二杯で半合のご飯に相当します。この四角い皿もM・Mさんに焼いてもらったもの。重宝しています。

☆残り物レシピ
冷蔵庫に残っていた賞味期限切れの豆腐や、去年の夏からある胡麻だれを使いきるための料理です。トマトはいつも夏まで買わずに我慢するのですが、今回は常夏の沖縄のトマトということで許してもらいましょう。
豆腐は、新しいものであっても、水の味が悪くなっている場合が多いので、ゆがいたほうがおいしくく食べられます。下に敷いているのは小松菜ですが、青梗菜があればそのほうがいいかもしれませんね。とにかく豆腐をゆがき、小松菜をゆで(あるいはチンして)、胡麻だれをかけるだけです。彩りにトマトをちらしました。
野菜の種類を増やしたりして、温野菜のサラダふうにできますね。胡麻だれでなくてちがうドレッシングでもよいでしょう。
☆春の簡単レシピいろいろ
桃の節句には、なぜかキムチ・チャーハンをこしらえました。蛤は買ったのですが、その手は桑名の焼き蛤にして、酒の肴にしました。白酒ならぬ丹波の濁り酒を飲んで。
材料:ごはん、卵ひとつ、厚揚げ一枚、葱
(1)フライパンを熱して、溶いた卵を炒るようにして、すこし固まったら刻んだ葱とごはんをくわえ、さらに数センチほどに切った厚揚げを入れて、ほぐしてゆき、刻んだキムチを入れる。味付けはそれだけ。
汁は町田に本店のある富澤商店の「しじみスープ」(フリーズドライ)に胡麻油と酢をすこし垂らし、三つ葉を散らしたもの。チャーハンに辛味があるので、漬物は奈良漬にした。
応用:厚揚げでなくて豚肉でもよいし、緑がほしければ小松菜のようなあまり汁気のない葉物を刻んでくわえてもよい。
春といえば菜の花――ぼくはこれが好きなので、よく食べます。使ったのはスーパーで売っている千葉産のものではなく「らでぃっしゅぼーや」の南伊豆産の菜の花で、茎がもっと細く、芯があまりありません。菜の花はひどいのを買うと、半分ぐらいが硬い茎で、食べられませんから、いいのを選びましょう。一度、プレッセで売っていた四国産のがあまりにもひどかったので、取り替えさせたことがありました。
材料:菜の花ひと束、油揚げ一枚、八方だし(またはそばのつゆ)、からし
菜の花はざっと洗って水気がすこしついたままラップに雑にくるみ、電子レンジで1分40秒チンします。とにかくゆですぎないこと。水にさらすと水っぽくなるのでそのまま4、5センチの長さに切ります。硬そうなところはその際に断ち落とす。千葉産の太い菜の花しか手にはいらないときは、そぎ切りにするとよいでしょう。
油揚げは網でこんがりと焼き、数センチに細長く切ります。
からし少々を、だしをのばしたもので溶き、菜の花を和えます。せいぜい60ccぐらい。くれぐれも汁が残るほど多くかけないこと。ほんのり味がついている程度でないと、春の味がしません。
それに油揚げを混ぜてできあがり。
応用:春にはホタルイカも出回ります。ホタルイカを薄味に甘辛く煮て、油揚げの代わりにくわえてもよいですよ。あるいは菜の花とホタルイカをオリーブオイルで和えて粒胡椒やケッパーを振れば、イタリア風にもなります。ただし、酢を使うと菜の花の色が悪くなるので要注意。