パレスチナ問題に対する提言この数ヶ月の間にアメリカという国がよくわかった。アラファト議長は何もしないと言いながら、アラファト議長の包囲は許す。イラクのクェート侵攻は許さないが、イスラエルのパレスチナ自治区侵攻は許す。パレスチナの自爆テロは許さないが、イスラエルの虐殺は許す。はっきり言ってパウエルには幻滅した。中東諸国にイスラエルを攻撃しないように説き回り、この問題の唯一の解決策であるアラファト議長との会談は文句を言いながら言い訳程度に最後に行った。結局、パウエルの訪問はパレスチナ問題の解決のために行われたのではなく、イスラエルの侵攻に加担するために行われた。パレスチナ問題のために「何もしない」のはパウエルの方だ。4月26日サウジアラビアのアブドラ皇太子の前でアメリカがイスラエルと特別な関係にあると正直に告白したブッシュ大統領の方がまだ信用できる。アメリカ国内では民主党議員でさえシャロンのイスラエル支持を約束。ユダヤ人系アメリカ人アダム・シャピロ氏がパレスチナ自治政府議長府にアラファト議長とともに立て籠もったことに対して、アメリカの新聞は「米人タリバン」ジョン・ウォーカーになぞらえて「ユダヤ人タリバン」と批判し、その両親は脅しを受けて姿をくらます事態にまでなっている。フランスではユダヤ人系住民がシャロン支持と不支持に割れてデモを行っているのとは大きな違いだ。このことから「反テロ」などと言うアメリカの正義は前回書いたようにアメリカ帝国主義のあとづけ以外の何者でもないということは自明だ。 この戦いはユダヤ人とパレスチナ人という人種間の戦いで捉えてしまうとこの問題を間違った方向に進めてしまう。シャロンの横暴とそれを支援するアメリカ帝国主義と世界の戦いである。現に世界各国のユダヤ人はシャロン不支持者もいるし、シャピロ氏のように勇気ある方もいる。ここで敢えて私が提案したいのは自衛隊のパレスチナ自治区への平和維持軍の派遣だ。 国連のイスラエルによる人権侵害を非難する決議(4月15日)には国連人権委員会53カ国のうちアラブ・イスラム諸国や中国、フランス等の計40カ国が賛成、カナダ、英国、ドイツなど5カ国が反対する中、日本は棄権した。アメリカの半属国である日本としてはぎりぎりの決断で評価できることだろう。4月25日には川口外相が国連調査団受け入れを要求している。日本政府としてもパレスチナ問題を他人事としていない点は評価できる。しかし、小泉内閣の政治改革は最近の国会内の醜い引きずり下ろし合いで何もできず、かっての勢いを失っている。ワイドショーを支持の基盤とした内閣故に仕方の無いことだとも言えるが。そして結局、小泉内閣の政治改革は郵政民営化が本丸だと言うくらいまで小さい言い訳程度のものになってしまった。政治とはその時その時に合わせた政策が必要で郵政民営化などという色褪せた建前によりかかるしか居場所が無いほど小泉内閣は弱くなってしまった。今まで後押ししていたのに成立して一ヶ月ぐらいでもう文句を言い始めたマスコミも悪い。郵政民営化などは捨ててしまい小泉内閣が日本を変えるという様を見せつけるのは自衛隊のパレスチナ自治区への平和維持軍の派遣しかない。 パレスチナ人を守ってきたのは中東諸国というようにも見えるが、細かいところを見るとそうでもない。第一次中東戦争で中東諸国が負けた理由の一つは、中東諸国が自分達の利害にこれを利用しようと争い、有利な条件での停戦にいたらなかったためだ。パレスチナは本当の味方などいない状態で戦ってきた。それだけに日本赤軍のリッダ空港の事件は今でもパレスチナ人の気持ちに焼きついている。ただし、それはイスラエル一般市民への攻撃や女子高生まで自爆テロに参加するという悪癖を作ってしまったことも確かである。今こそそれをあらためる時が近づいている。 H14.04.28 |