杉山晋太郎 追悼ライブ
9/7 高円寺 Live Spot 20000Vにて
杉山晋太郎さんと言えば、ザ・スターリン(*註)の初期のベーシストとしてだけ知っていました。写真で見る限り、当時のメンバーの中で一番クールで神経質そうなイメージの人でした。「TRASH」、「STOP JAP」、「虫」などザ・スターリン」の主要なアルバムに参加し、ザ・スターリンの音楽性には彼の影響が大きかったと思われます。遠藤ミチロウさんはその後も何回かスターリンを再結成させたのですが、晋太郎さんがいた頃こそスターリンらしいスターリンだったのです。もしかしたらこれはその黄金期のザ・スターリンの雰囲気を少しでも知れるいい機会だと思い、行って来ました。
晋太郎さんと関係のあったバンドが全部でスターリンを含めて5つ参加していました。寡黙そうな人がやっているバンドが多かったのが彼の人柄をのぞかせます。スターリン以外もいいバンドばかりでした。特に彼が後半在籍していたという泥の河というバンドはとても良かったです。悲哀のこもった女性ボーカルの曲は今のはやりとは一線を画すものの、ものすごく共感できました。晋太郎さんが生きているうちに行くべきでした。
その次に出たバンド(すいません。名前を聞き漏らしてしましました。)も、ものすごく良かったです。小さいピアノにマイクをつけてその鍵盤ではなく板の上を叩くことによって中の弦を響かせ、独特の音を出すというおもしろい演奏を行うバンドでした。泥の河もそうなのですが、70年代的なものへの郷愁が感じられるバンドでした。
チラシでは「遠藤ミチロウ」と個人名になっていたので、もしかしたらアコースティックなのではないかと覚悟していたのですが、4っつ目のバンドが終わって見慣れぬメンバーがディストーションを効かして弾きはじめ、現れたのはスターリンの時のメイクをした遠藤ミチロウ、「俺の存在を頭から輝かさせてくれ」というフレーズで始まる曲はザ・スターリン時代の代表曲「ワルシャワの幻想」でした。したしぶりのスターリンの復活に客はもう爆発状態。おそらく本人も予想してなかったほどの盛り上がりだったでしょう。しかし、今時スターリンのファンなんて奇特な人間しかいないだろうと思っていましたが、こんなにも奇特な人間はたくさんいたのです。特にその当時を知らない若者に。「ロマンチスト」、「解剖室」、「天プラ」、「先天性労働者」と初期の名曲をやった後、ボブ・ディランの「天国の扉」のミチロウバージョン。死をテーマにしたこの曲はまさに晋太郎さんに捧げる曲としてふさわしいでしょう。そして、アンコールはいつものように「虫」になるのかと思っていたら、私が大好きな「アーチスト」。この曲は大抵のライブでは後半ジャックスの「マリアンヌ」につながるのですが、今回は原曲バージョン。実はこの曲、晋太郎さんが作った曲だそうです。やはり、ザ・スターリンの魅力は晋太郎さんから切り離せないのです。それをラストに終了しました。
スターリンは昨年一回だけ復活ライブを行っていたのですが、その時は気づいたときには終わっていて、今回は本当にいい機会でした。ただ、メンバーはまたミチロウさん以外その頃のメンバーではなかったのですが・・・。ともかく、激しくてあたたかいライブでした。
*ザ・スターリン
INUとともに日本パンクロックを代表するバンド。臓物をステージにばらまくといった過激なパフォーマンスの反面、緻密なロジックも持っていた。リーダー遠藤ミチロウは後期の全共闘も経験した世代で、スターリンというバンド名には全共闘への皮肉も込められている。'80−'85
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