「・・・・・あ」




 旅の帰り道、とある町にて。
 兄と本日の宿を求めていたら、ふと目についた小さな一軒の店が目に付いた。



 「どうした?アル」


 思わず足を止めたアルに、兄が怪訝そうな顔をして振り向く。
 黙ったままのアルに首を傾げると、彼が見ている方に視線を動かした。



 「・・・・装飾品か?」



 疑問系で呟いた兄の言葉に、アルは小さく頷いてその店に入って行った。





 視線の先にあったのは、とても小さな店。
 色取り取りの装飾品が並べてあり、太陽の光に反射してキラキラと光っている。

 これが自分達の幼馴染の少女だったら、歓声を上げて見て回るだろう。
 男のエドには理解出来ないが、女は光物が好きらしい。よくウィンリィも綺麗な物を見てははしゃいでいた。


 それを何故、弟のアルが見ているのだろうか?あまり興味があったとは思えないが。



 「アル?どうしたんだよ」


 話しかけるが、軽くスルーされる。
 思わず額に青筋が浮かびそうになるが、我慢我慢。兄として兄として!と心の中で唱える。
 必死に怒りを抑えて、弟の傍まで寄って。
 先程から彼が穴が開くほど見ているモノに、目を向けた。


 その瞬間、ピッタリと納得した。



 「あー・・・・成る程な」



 酷く意地の悪い声で言っていたのだろう、その瞬間アルは慌ててエドの方を見た。
 エドもアルを見ると、ニヤリと口元を吊り上げた。






 「ほら」





 トランクから財布を出すと、硬質な弟の手に押し付けた。
 訳が分からなくて疑問符を上げているアルに少し笑ってから、楽しそうに目を細めた。






 「早く買って来いよ。中尉にプレゼントするんだろ?」





 どうやら的中したらしい。もしもアルが生身の身体だったら、きっと真っ赤になっているだろう。
 慌てて目的のモノを慎重に手に取ると、店主の女性の元に行ってしまった。
 そんな弟の姿を見て、エドはニヤニヤと笑った。






 司令部に着いたら、コッソリと教えてやろう。
 アルがどれだけ真剣に選んでいたか。幸せそうな顔をしていたか。
 









 それを聞いた時の金髪の女性を想像して、エドは口元を緩めた。









 
 エドにはアルの(珍しく)欲しがった物は、ポンとお財布を出して買って欲しい。弟愛している。
  現代だったら国家錬金術師って税金とか払うのでしょうか?(知るか)