そんなある日の事です。






「お城で舞踏会?」
「ああ。今夜あるんだとよ」


これまたいつものようにアルデレラ(鎧)がせっせと働いていると、義姉2人が至急ドレスとアクセサリーを用意しろと言い出しました。
何かあるのかと思い継母に聞くと、上の答えが返ってきました。



何でもこの国の王子様の婚約者を探し出すのが名目で、国中の女性が集められたそうなのです。勿論性格は最悪でも見た目は美しい義姉達にも招待がかかり、それでハッスルしていました。



「あの、お義母様も行くんですか?」


アルデレラ(鎧)の質問は当たり前の事でした。
継母のエドワード、見た目はまだまだ若くてとても子持ちの未亡人には見えませんが所詮未亡人です。
未亡人が王子様のお嫁様に?



「人妻以外は未亡人でも集められるそうだ。とにかく王子が気に入る相手を見つけたいんだろうな」
「ふーん」
「アルデレラ、早く私のドレスを用意してくれないかしら。支度が出来ないじゃない」
「こっちもだよ。とっととしてくれよ」
「あ、はい!」


後ろから鋭い声が飛んで、慌ててアルデレラ(鎧)は飛んで行きました。早くしないとペナルティとして何をされるか分かりません。
継母も自分が止めるとその報復がアルデレラ(鎧)に向かう事を知っていたので、申し訳なさそうにアルデレラ(鎧)を見つめました。
エドワードはアルデレラ(鎧)に極力用事を頼まず、現在の支度も自分でやっていたのです。




「それじゃ行って来る。なるべく早く帰って来るからな?」


美しく着飾ったエドワードは一層綺麗で、とても子持ちの未亡人には見えませんでした。
サイズが合わなくて綺麗なドレスもないアルデレラ(鎧)は舞踏会には行けずお留守番なので、継母は1人残されるアルデレラ(鎧)が心配です。



「お母様、早くしてちょうだい。始まってしまうわ」


メイクという魔法を借りたいつもより美人な義姉達は先に馬車に乗り込んでいて、中々来ない母に呼びかけます。
エドワードはとても済まなそうな顔をして、渋々馬車に乗ってお城に向かいました。


アルデレラ(鎧)は馬車が見えなくなるまで見送ると、誰もいない寂しい家に入っていきました。








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アルがいつも着ているのはセールで売っている980円のシャツです。